
股関節痛と腰痛は、姿勢のクセや筋力不足が重なると同時に起こりやすく、放置すると悪化することもあります。
この記事では、国家資格者の視点で
「股関節痛と腰痛が同時に出る原因」
「考えられる病気の可能性」
「自宅でできるセルフチェックと対処法」
をわかりやすく解説します。
不安を放置せず、今日からできるケアで再発しにくい体を目指しましょう!
股関節痛と腰痛が同時に起こるのはなぜ?
股関節と腰は離れた部位に見えますが、実は骨盤を通じて深くつながっています。
そのため、どちらか一方に問題が起こると、もう一方に負担がかかりやすいのが特徴です。
ここでは、股関節痛と腰痛が同時に発生しやすい理由と、代表的な原因、放置した場合に起こるリスクについて、わかりやすく解説します。
股関節痛と腰痛が密接に関係している理由
股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ大きな関節で、その骨盤は腰椎(腰の骨)と直結しています。
股関節の動きが制限されると、腰椎が代わりに過剰に動いて姿勢を支えようとするため、結果として腰に負担が集中します。
逆に腰が痛むと、無意識のうちにかばう動作が増えて股関節周辺の筋肉が固まり、股関節の痛みが強まるという悪循環に陥りやすくなります。
実際にひざ関節の痛み解消ナビでも、骨盤を介して股関節と腰が連動していることが指摘されています。
代表的な原因は姿勢不良と筋肉不足
股関節痛と腰痛が一緒に起こりやすい大きな理由として、日常の姿勢のクセや筋力不足が挙げられます。
長時間の座りっぱなしや猫背の姿勢が続くと、骨盤の歪みを招き、股関節と腰の両方に偏った負担がかかりやすくなります。
さらにお尻や体幹の筋力が十分でないと、関節を正しい位置に支えられずに動きのズレが起き、痛みの原因となります。
日本の名医|患者さんと医師をつなぐ医療情報サイトでも、姿勢の悪さや筋肉の柔軟性不足が股関節痛の要因として取り上げられています。
股関節痛と腰痛を放置するとどうなる?
軽い痛みだからと放置していると、股関節痛と腰痛はどんどん負担が蓄積し、慢性化しやすくなります。
痛みを避けるための不自然な動きが習慣化すると、歩き方や立ち方が歪んで他の関節や筋肉にも痛みが広がることもあります。
特に変形性股関節症や椎間板ヘルニアなどは進行すると歩行が困難になり、手術が必要になる場合もあります。
早めに原因を把握し、信頼できる医療機関の情報を参考にしながら、適切なケアを行うことが大切です。
股関節痛と腰痛の際に疑うべき可能性のある病気
股関節痛と腰痛は、多くの場合は姿勢のクセや筋肉の疲れが原因になりますが、
中には思わぬ病気が隠れている場合もあります。
特に痛みが長引いたり、日に日に強くなったり、片側だけに強く現れるときは、
関節や骨に問題が進行しているケースも考えられます。
ここでは、股関節痛と腰痛に関わる代表的な病気をわかりやすくご紹介します。
股関節の疾患
股関節周辺の痛みが慢性化しているときは、単なる筋肉の疲労ではなく、股関節の病気が潜んでいることも少なくありません。
ここでは、股関節痛と腰痛が同時に出やすい代表的な病気の特徴や注意点をお伝えします。
先天性股関節脱臼
先天性股関節脱臼は、生まれつき股関節の形が安定しておらず、関節が外れやすい状態です。
新生児期や乳児期に発見されることが多いものの、見逃されると大人になってから歩き方のクセや股関節のズレが原因で、股関節痛と腰痛を引き起こすことがあります。
股関節を支える臼蓋(きゅうがい)が十分に発達しないまま成長することでズレが生じやすくなるのです。
放置すると脚の長さに左右差が出たり、歩く際の負担が増えて股関節痛と腰痛だけでなく膝の痛みにまで広がることもあり、変形性股関節症に進行する恐れがあるため注意が必要です。
変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで骨同士がこすれ合い、股関節痛と腰痛を引き起こす病気です。
40代以降の女性に多く、年齢とともに少しずつ進行していくのが特徴です。
先天性股関節脱臼の影響や、加齢に伴う軟骨の摩耗が主な原因とされ、日々の姿勢や体への負担も関係します。
進行すると股関節の動きが制限され、階段の上り下りや歩行がつらくなるだけでなく、腰を反らしてかばうクセがついて、股関節痛と腰痛を同時に悪化させやすくなります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛は病名ではなく、腰からお尻、太ももの裏側を通る坐骨神経が刺激されることで起こる痛みやしびれの総称です。
30代〜50代の人に多く、長時間のデスクワークや重い物を扱う仕事をしている人が発症しやすい傾向があります。
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因で神経が圧迫されることが多く、股関節痛と腰痛が同時に現れることも少なくありません。
放置するとしびれが広がり、筋力が落ちて歩きづらくなる場合もあります。
特にしびれや力の入りにくさが強いときは、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。
大腿骨頭壊死
大腿骨頭壊死は、股関節の骨の一部に十分な血液が届かなくなり、骨が壊死してつぶれてしまう病気です。
30代〜50代の男性に多く、ステロイド薬の長期使用や大量の飲酒習慣がリスク要因として知られています。
血流が途絶えることで骨が栄養不足に陥り、壊死が進むと股関節の形が変形して、股関節痛と腰痛を引き起こします。
放置してしまうと股関節の可動域が狭まり、脚の長さに差が出たり歩き方が不自然になって、腰への負担が増してしまいます。
最終的に人工関節手術が必要になることもあるため、違和感を覚えたら早めに専門医に相談することが重要です。
腰椎の疾患
股関節痛と腰痛が長引くときは、ただの筋肉疲労ではなく、腰椎(腰の骨)にトラブルが起きている可能性があります。
特に神経が圧迫される疾患は、放置すると股関節痛と腰痛が慢性化しやすいため要注意です。
ここでは、股関節痛と腰痛に関わる代表的な腰椎の病気をわかりやすく紹介します。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の骨と骨の間にある椎間板が外に飛び出して神経を圧迫する病気です。
20〜40代の働き盛りの世代に多く、重い物を持ち上げる作業や前かがみの姿勢が多い人に起こりやすい傾向があります。
加齢で椎間板がもろくなることや、姿勢のクセで腰に負担がかかることが主な原因です。
股関節痛と腰痛を同時に引き起こすことも少なくなく、放置すると足のしびれや力が入りにくくなる症状が進行し、最悪の場合は排尿障害など日常生活に大きな支障が出ることもあります。
痛みやしびれが続く場合は、早めに画像検査を受けて専門医に相談することが大切です。
変形性腰椎症
変形性腰椎症は、腰椎の軟骨がすり減って骨同士が当たったり、骨にとげ(骨棘)ができて神経を刺激する病気です。
50代以降の中高年に多く、長年の悪い姿勢や加齢による腰椎への負担が大きな原因です。
初期は腰の重だるさや軽い痛み程度で済みますが、進行すると神経が圧迫されて足のしびれや股関節痛と腰痛が一緒に現れることもあります。
放っておくと慢性化して腰痛が続き、歩きにくくなったり転びやすくなるリスクが高まります。
腰椎すべり症
腰椎滑り症は、腰椎が前後にずれて神経を圧迫してしまう病気で、特に女性に多いと言われています。
50代以降で腰の筋力が低下し、姿勢の崩れや加齢により骨がずれるのが主な原因です。
歩行時にお尻や太ももに痛みやしびれが出て、休むと少し楽になるのが特徴で、股関節痛と腰痛が同時に現れることもあります。
股関節をかばった歩き方が習慣化すると、股関節周辺の筋肉が硬くなり、痛みが悪化しやすくなります。
放置すると歩ける距離が短くなり、日常生活に支障が出るため、症状が長く続くときは早めに専門医に相談しましょう。
内臓由来の可能性もある?
股関節痛と腰痛は、多くの場合は筋肉や関節のトラブルが原因ですが、
中には内臓の病気が隠れていることもあります。
「動かしても痛みが変わらない」
「発熱やだるさを伴う」
などの症状があるときは、体の深部で炎症や病変が進んでいる可能性もあるため注意が必要です。
ここでは股関節痛と腰痛の原因になり得る内臓由来の代表例を紹介します。
腎臓の病気「腎盂腎炎や結石など」
腎盂腎炎などの腎臓の炎症や尿管に結石が詰まる尿路結石などは、背中や腰の奥に重い痛みを引き起こすことがあります。
30代〜50代の男女に多く、発熱や排尿時の痛み、血尿を伴うことが特徴です。
腎臓は腰に近い位置にあるため、筋肉痛や股関節痛と腰痛と間違えやすいのが厄介です。
放置すると腎機能が低下したり、炎症が全身に広がる恐れがあります。
腰の奥がズーンと痛み、股関節痛と腰痛のように感じるときは泌尿器科での検査をおすすめします。
婦人科系の病気「子宮内膜症や卵巣嚢腫など」
子宮内膜症や卵巣嚢腫などの婦人科系の病気は、下腹部だけでなく股関節周辺や腰にまで関連痛が広がることがあります。
特に20代〜40代の女性に多く、生理周期に合わせて痛みが強まるのが特徴です。
内臓からの痛みは体の動きに関係なく続くことが多く、姿勢を変えても股関節痛と腰痛が和らぎにくいのが特徴です。
放置すると炎症が広がり不妊のリスクも高まるため、生理に伴い股関節痛と腰痛が強くなるときは、早めに婦人科で相談することをおすすめします。
消化器の病気「大腸炎やがんの骨転移など」
消化器系の病気の中には、大腸炎やがんの骨転移などが、股関節痛と腰痛として関連痛で現れることがあります。
特に50代以上で、進行がんの場合は骨に転移して痛みが深部まで響き、夜間も続くのが特徴です。
腸の炎症や腫瘍が神経を刺激したり、骨に浸潤することで痛みが起こります。
放置すると体重が減ったり食欲が低下するなど全身症状が出やすく、進行すると治療が難しくなります。
体を動かしても痛みが変わらず、夜もズキズキと痛むようであれば、早めに内科など専門医を受診しましょう。
股関節痛と腰痛の際は病院で検査するべき?
股関節痛と腰痛は、姿勢のクセや筋肉の疲れから一時的に出ることも珍しくありません。
しかし、場合によっては重大な病気が隠れていて、病院での検査が必要になるケースもあります。
「大したことはない」
と自己判断して放置すると、症状が進行して治療に時間がかかってしまうことも。
ここでは、病院で検査を受けるべきか判断するポイントと、注意したい症状をまとめました。
要注意サインと症状の見分け方
股関節痛と腰痛を「様子を見ていれば治る」と自己判断していいのか、それともすぐに病院で診てもらうべきか迷う方は少なくありません。
特に神経や内臓が関わる症状は早めに対応することが大切です。
ここでは見逃してほしくない注意すべきサインを紹介します。
足のしびれや力が入りにくい
股関節痛と腰痛に加えて、足にしびれを感じたり力が入りにくくなる場合は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで神経が圧迫されているかもしれません。
神経の圧迫が進むとしびれが広がり、筋力が低下することもあり、さらに進行すると歩けなくなったり、排尿障害が出る可能性もあります。
「いつもと違うしびれ」
「片脚だけ力が入りにくい」
と感じたら、早めに整形外科での検査をおすすめします。
痛みが夜中も続いたり、発熱を伴う場合
股関節痛と腰痛が夜間も続き、横になっても楽にならない場合は注意が必要です。
さらに発熱があるときは、腎盂腎炎などの腎臓の感染症や、内臓疾患、関節の炎症が関係している場合があります。
筋肉の疲労が原因の痛みなら安静で軽くなることが多いですが、夜間痛や発熱を伴うときは内科や泌尿器科などで早めに診察を受けることが大切です。
脚の長さが左右で違う
股関節痛と腰痛が続いていて、立ったときに脚の長さが左右で違って見えたり、片方の脚だけ短く感じる場合は、
大腿骨頭壊死や股関節の変形が進んでいる可能性があります。
そのままにしておくと股関節の形が崩れ、歩き方が不自然になって腰への負担も増え、痛みが悪化しやすくなります。
こうした変化に気づいたときは放置せず、整形外科で画像検査を受けて原因をはっきりさせましょう。
病院受診が必要な股関節痛と腰痛の症状
股関節痛と腰痛は、セルフケアで軽くなることも多いですが、放置して様子を見続けると逆に回復が遅れたり、悪化してしまうことがあります。
「これはもう病院に行った方がいいかも」と思ったときは、早めの受診が早期回復につながります。
ここでは特に気をつけたい受診の目安を紹介します。
どんどん痛みが強くなり、日常生活に支障が出ている
股関節痛と腰痛が徐々にではなく、短期間で急に強くなるときは注意が必要です。
歩くのが辛くなって家事や仕事ができなくなったり、寝返りも打てないほどの痛みがあるときは、筋肉だけでなく骨や神経にトラブルが起きている可能性があります。
我慢しすぎると悪化しやすいため、痛みが日常生活に影響し始めたら整形外科で診てもらうようにしましょう。
2週間以上痛みが改善しない
ストレッチや湿布を続けても股関節痛と腰痛が2週間以上良くならない場合は、筋肉の疲れだけでなく、関節の変形や神経の圧迫が原因かもしれません。
「そのうち治るはず」
と放置せずに、症状が続くときは一度病院で検査を受け、原因をしっかり調べてもらうことが大切です。
しびれの範囲が広がってきた場合
股関節痛と腰痛だけでなく、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先までしびれが広がってきた場合は、神経が強く圧迫されている可能性があります。
そのまま放置するとしびれが取れにくくなり、筋力が落ちて歩きにくくなることも。
特に片側だけにしびれが強く出てきたときは、できるだけ早く整形外科で画像検査を受けるようにしましょう。
自宅でできる股関節痛と腰痛の対処法
股関節痛と腰痛を根本から改善するためには、病院の治療だけでなく日々のセルフケアがとても大切です。
痛みが強いときに無理は禁物ですが、無理のない範囲でストレッチや筋トレを取り入れることで、筋肉の硬さをほぐし、正しい姿勢を保ちやすくなります。
ここでは、初心者でもスグにできるおすすめのストレッチと筋トレ、さらに毎日の生活で気をつけたいポイントをわかりやすく紹介します。
股関節痛と腰痛を改善するおすすめストレッチ
股関節と腰周りの筋肉をほぐすストレッチは、血流を良くし、痛みの悪循環を断ち切る第一歩です。
ここでは特に固まりやすい部分を中心に、自宅ですぐできるストレッチ方法を5つ紹介します。
ハムストリングストレッチ
ハムストリングは骨盤の動きを大きく左右する筋肉です。
太もも裏が硬いと骨盤が後ろに引っ張られ、腰の筋肉が過剰に働きやすくなります。
股関節痛と腰痛が同時に起こる人は、骨盤の前後のバランスが崩れていることが多いため、太もも裏をしっかり伸ばすことで骨盤を正しい位置に戻し、腰椎の負担を減らせます。
座り仕事が多い人や前屈みになりやすい人に特におすすめです。
【やり方】
- 仰向けに寝て、片脚を伸ばします。
- 足を伸ばしたまま持ち上げます。足にタオルを引っ掛けるとやりやすい
- 太もも裏が伸びて気持ちいいところで20秒キープ。
- 左右1〜2セット行いましょう。
腸腰筋ストレッチ
腸腰筋は股関節の前側を支えるインナーマッスルです。
この筋肉が硬くなると骨盤が前に傾きすぎ、腰の反り(反り腰)が強くなります。
反り腰の姿勢は腰椎を圧迫しやすく、股関節の動きも制限されます。
股関節痛と腰痛の両方が気になる人は、腸腰筋をゆるめて骨盤をニュートラルに戻すことで正しい姿勢を保ちやすくなり、痛みの悪循環を断ち切れます。
【やり方】
- 片膝立ちのランジ姿勢をとります。
- 後ろ脚側の股関節前方を意識しながら、骨盤をゆっくり前に移動します。
- 後ろ足の股関節前が伸びてきたら20秒キープ。
- 左右1〜2セット行いましょう。
お尻(大殿筋)ストレッチ
大殿筋はお尻の大きな筋肉で、股関節の動きと腰の安定を支える大黒柱です。
座りっぱなしの生活や姿勢のクセで硬くなると、骨盤の動きが悪くなり、腰椎が代わりに動こうとして腰痛を引き起こしやすくなります。
股関節痛と腰痛が同時に出る人は、大殿筋をほぐすことで股関節の可動域が広がり、腰椎の余計な動きを減らして負担を軽くできます。
【やり方】
- 椅子に座り、片方の足首を逆足にのせる
- 背筋を伸ばしたまま前に倒れる
- お尻が伸びるのを感じます。
- 20秒キープして、左右交互に1〜2セット。
胸椎伸展ストレッチ
胸椎は背中の真ん中にある背骨の部分です。
胸椎の動きが硬いと背中が丸くなり、骨盤が後傾しやすくなります。
結果として腰が過剰に反る姿勢になり、腰椎に余分なストレスがかかります。
股関節痛と腰痛が起こりやすい人は、胸椎を伸ばすことで猫背を解消し、腰の反りすぎを防ぐことができるため、腰と股関節の両方を守れます。
【やり方】
- 正座または椅子に座り、両手を頭の後ろに置きます。
- 肘を開いて胸を張り、背中の真ん中(胸椎)を意識してゆっくり反らせます。
- 5秒かけて伸ばし、戻すを5回繰り返します。
胸椎回旋ストレッチ
体幹の回旋(ひねり)は本来、胸椎が大部分を担いますが、胸椎が硬いと腰椎や股関節が代わりに過剰に回旋するため負担が集中します。
股関節痛と腰痛の人は、この負担分散が苦手になっていることが多いです。
胸椎の回旋を高めると、腰椎と股関節の動きに余裕が生まれ、普段の姿勢やスポーツ動作でも無理な力みを防げます。
【やり方】
- 四つ這いになります。
- 片手を頭の後ろに置き、肘を天井に向けるように背骨をねじります。
- 無理のない範囲で5秒キープ、左右交互に5回ずつ。
股関節痛と腰痛を改善するおすすめ筋トレ
筋力をつけることで関節を安定させ、股関節痛と腰痛の再発を防ぐことができます。
ここでは自宅で器具なしでできる簡単な筋トレを3つ紹介します。
ヒップリフト
お尻(大殿筋)と太ももの裏(ハムストリング)は、骨盤を支える主要な筋肉です。
これらが弱いと骨盤がグラグラして姿勢が崩れやすくなり、股関節と腰椎に過剰なストレスがかかります。
ヒップリフトは自宅で安全にお尻の筋肉を活性化でき、股関節痛と腰痛を同時にケアするのに役立ちます。
運動初心者にも負担が少なくて続けやすいのがメリットです。
【やり方】
- 仰向けに寝て膝を立て、足は腰幅に開きます。
- お腹に力を入れながらゆっくりお尻を持ち上げます。
- 膝から肩までが一直線になるところで3秒キープして、ゆっくり下ろす。
- 10回×2セットが目安。
サイドレッグレイズ
中殿筋は股関節の横を支える筋肉で、片脚立ちや歩行の安定性を高めます。
弱いと骨盤が左右に傾きやすくなり、股関節と腰椎にズレが生じて痛みを繰り返します。
股関節痛と腰痛を防ぐには、中殿筋を鍛えて骨盤の横揺れを抑えることが大切です。
サイドレッグレイズは器具なしでできて効果的なので、特に姿勢が崩れやすい人におすすめです。
【やり方】
- 横向きに寝て、下の膝は軽く曲げます。
- 上の脚を膝を伸ばしたままゆっくり上げ下げします。
- 上げたときにお尻の横が効いているのを感じてください。
- 10回×左右2セット。
バイシクルクランチ
腹斜筋などお腹の横の筋肉を鍛えることで、体幹が安定し股関節や腰への負担が減ります。
腹筋が弱いと姿勢を支えきれず、腰が反ったり骨盤が前後に傾きやすくなるのです。
股関節痛と腰痛の両方を持つ人は、腹筋をバランス良く使えることで腰椎の動きを必要以上に大きくせずに済み、負担分散ができます。
【やり方】
- 仰向けで両手を頭の後ろに置き、膝を90度に曲げて浮かせます。
- 片方の肘と反対の膝を近づけるように体をひねります。
- 左右交互に20回を目安に。
股関節痛と腰痛を改善するために日常生活での注意点
ストレッチや筋トレと合わせて、毎日のちょっとした習慣を見直すだけでも股関節痛と腰痛の予防に大きく役立ちます。
ここでは特に意識したいポイントを2つお伝えします。
長時間同じ姿勢を続けない
長時間同じ姿勢でいると、特定の筋肉が硬くなり、股関節と腰の可動域がどんどん狭くなります。
血流も悪くなるため痛みが慢性化しやすく、「立ち上がるたびに痛い」という状態にもつながります。
股関節痛と腰痛を防ぐためには、こまめに姿勢を変え、固まった筋肉をリセットする習慣が不可欠です。
片脚に重心をかける立ち方を避ける
片脚に体重をかけるクセがあると骨盤が歪みやすく、股関節と腰椎の位置がズレて負担が偏ります。
これが続くと筋肉の緊張バランスが崩れ、股関節痛と腰痛の両方を繰り返す人が多いです
普段から左右均等に体重をかける意識を持つだけで、骨盤のズレを防ぎ痛みの再発予防につながります。
股関節痛と腰痛がある方からよくある質問
股関節痛と腰痛は、症状の原因や程度が人それぞれ異なるため、
「病院に行くべきか」
「どのくらい安静にすべきか」
など、判断に迷う人も少なくありません。
ここでは、患者さんからよく寄せられる代表的な質問に、専門的な視点からお答えします。
股関節痛と腰痛は何科に行けばいい?
回答:整形外科の受診がおすすめです。
整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像検査により、骨や関節・神経の状態を詳しく診てもらえます。
とくに神経のしびれや脚の長さの変化などがある場合は、早期に検査・治療方針を立てることが重要です。
姿勢や筋力低下が原因とわかれば、整骨院やリハビリも併用可能です。
市販薬や湿布で治る?
回答:一時的に痛みを和らげる効果はありますが、根本治療にはなりません。
市販の痛み止めや湿布は炎症や筋肉の緊張を抑える作用がありますが、原因となっている姿勢の崩れや筋力不足を解決できるわけではありません。
セルフケアで改善しない場合や、痛みが再発するようであれば、医療機関で原因を特定し、根本からの対策が必要です。
妊娠中の股関節痛と腰痛はどうする?
回答:無理な運動は避け、骨盤ベルトなどで姿勢を安定させましょう。
妊娠中はリラキシンというホルモンの影響で関節がゆるみやすくなり、股関節や腰に負担がかかりやすい状態です。
無理なストレッチや筋トレは避け、骨盤サポートグッズの活用や、助産師・医師の指導のもとで行う軽い体操にとどめましょう。
痛みが強い場合は産婦人科に相談することが第一です。
片側だけ股関節と腰が痛いのは大丈夫?
回答:一時的なこともありますが、片側の負担が積み重なっている可能性があります。
左右どちらか一方に痛みが出るのは、立ち方や歩き方のクセ、骨盤のズレなどが原因になっていることがあります。
長時間座る姿勢や片足重心が習慣化している場合、股関節と腰にかかる負担が左右で偏っていることも。
同じ側に痛みが続く場合は、筋バランスのチェックや骨盤の評価を受けることをおすすめします。
どれくらい安静にすればいい?いつから動いていい?
回答:強い痛みが落ち着いたら、できるだけ早く軽い運動を始めるのが理想です。
痛みが強い初期は2〜3日を目安に安静にし、炎症を抑えることが基本です。
ただし、完全に動かさない期間が長くなると筋力が低下し、かえって回復が遅れる可能性があります。
症状が軽快してきたら、ストレッチや姿勢改善の運動を少しずつ取り入れましょう。
再発防止には「安静→再可動→安定化」の流れが重要です。
股関節痛と腰痛の原因まとめ
股関節痛と腰痛は、姿勢のクセや筋力不足、生活習慣の積み重ねが大きな原因です。
一時的に良くなっても根本の原因を放置すると、何度も痛みを繰り返してしまいます。
まずはセルフケアで筋肉をほぐし、無理のない範囲で筋力をつけることが大切です。
もし痛みが長引く場合は我慢せず、専門医に相談して原因をはっきりさせましょう。
あなたの体は日々の小さな習慣で変わります。
今日からできることから始めて、痛みのない体を一緒に目指しましょう!