
スクワット中に「腰がピキッ」と痛んだ経験、ありませんか?
本記事では、腰痛があっても安心してスクワットを続けるための正しい方法とNG例を専門家が解説。
体幹を整えれば、痛みゼロで下半身を強化することは可能です。
今日から安全にトレーニングを続けるヒントをお届けします。
腰痛とスクワットは両立できる
「腰痛があるのにスクワットをしても大丈夫なの?」
と不安に感じている方は少なくありません。
実際、フォームの乱れや体幹の弱さが原因で腰を痛めるケースは多くあります。
しかし、正しい知識とやり方を身につければ、腰に負担をかけずにスクワットを安全に行うことは十分可能です。
この章では、腰痛とスクワットを両立させるための基本的な考え方を解説します。
腹圧で腰椎を固定すれば痛みは激減
スクワットで腰を守る最大のポイントは「腹圧コントロール」です。
腹圧とは、お腹の内側にかかる圧力のことで、この圧力をうまく使うことで腰椎(ようつい)を安定させることができます。
腹圧が抜けた状態でスクワットを行うと、腰の骨がグラつき、関節や筋膜に過剰なストレスがかかってしまいます。
これが「ピキッ」とした痛みや慢性的な腰痛、もしくは違和感の原因です。
逆に、しっかりと腹圧をかけてお腹を固めた状態で動作を行えば、体幹が支柱のように働き、腰にかかる負担が大幅に軽減されます。
実際に、腹圧によって腰椎が安定し、腰痛リスクを大幅に軽減できることはスポーツ医療の分野でも指摘されています
初心者であっても「息を止めるのではなく、横腹に力を入れて腹を膨らませる」感覚を意識するだけで、スクワットの安全性はぐっと高まります。
筋力向上+姿勢改善の二重効果
正しいフォームでスクワットを行えば、腰痛を悪化させるどころか「腰痛予防」と「腰痛改善」の両方に役立ちます。
第一のメリットは、太ももやお尻の筋力アップです。
これらの筋肉は日常生活の立ち上がり動作や階段昇降を支える重要な部位であり、腰椎の負担を分散してくれる働きがあります。
第二のメリットは、姿勢の改善です。
特に腹筋や背筋といった体幹が強化されることで、骨盤が安定し、猫背や反り腰といった腰痛につながる姿勢を自然と修正できるようになります。
これらの変化は一時的なものではなく、継続することで腰痛の再発リスクを大幅に下げる土台づくりになります。
つまり、スクワットは「腰痛を和らげながら、再発を防ぐ」ことを両立できるトレーニングなのです。
スクワットで腰痛が起こる3つの原因
「腰痛改善のためにスクワットをしているのに、逆に痛みが出る…」
そんな経験はありませんか?
実はその腰痛はスクワットフォームのミスや身体機能の問題が原因かもしれません。
スクワットで腰痛になる主な理由は、大きく3つに集約されます。
本章では、スクワットの際に腰痛リスクを高める具体的な原因を明らかにし、安全にスクワットを続けるためのポイントを解説します。
体幹筋力不足で骨盤が前後に傾く
スクワット中に骨盤が前後に傾くと、腰椎(ようつい)への負担が一気に高まります。
その最も大きな原因が「体幹の筋力不足」です。
体幹は、お腹・背中・横腹など胴体を支える筋肉全体を指します。
これらが弱いと、動作中に腰椎が不安定になり、姿勢が崩れることにより、腰痛の原因になります。
特に初心者は「脚を鍛える種目だから体幹は関係ない」と軽視しがちですが、腹圧が抜けた状態では安全なスクワットはできません。
実際に、ある調査では腰痛患者の多くが腹横筋や多裂筋などの体幹深部筋の活動が低下していると報告されています。
スクワット前にプランクやデッドバグなどの体幹トレーニングを取り入れることで、骨盤の安定性が向上し、腰痛の危険性を下げることができます。
股関節・足首の可動域制限がフォーム崩れを誘発
スクワットのフォームが崩れる原因は、筋力だけではありません。
「関節の硬さ」も重大なリスク要因です。
特に股関節と足首の可動域が不足していると、正しいフォームを維持できず、腰痛になります。
股関節が硬いと、骨盤を前に倒す動きが制限され、しゃがむ際に背中が丸まる(=腰椎の屈曲)姿勢になります。
背中が丸まると腰椎が過剰に動くことになり、腰痛になります。
足首が硬いと、膝が十分に前に出せず、バランスを取ろうとして腰を反らせる「代償動作」が出やすくなります。
腰を反らせる動作がでやすくなると、椎間関節に負担がかかるので、スクワットをすればするだけ腰痛がひどくなる可能性が高くなります。
つまり、股関節、足首、どちらが硬くても腰に不自然な負担をかけることになり、腰痛の原因となります。
可動域の改善には、腸腰筋・内転筋・ふくらはぎのストレッチ、アンクルモビリティ、またはヒップヒンジ動作の習得が有効です。
柔軟性を高めることで、フォームは自然と安定し、腰痛を防ぐことができるようになります。
スクワットの負荷設定ミス(重量・頻度・スピード)が慢性腰痛を招く
スクワットで腰痛を引き起こす大きな原因のひとつが「負荷設定のミス」です。
スクワットフォームが安定していないうちに重量を増やしたり、高頻度でトレーニングを行ったりすると、腰椎やその周囲の筋肉・関節に慢性的なストレスが蓄積され腰痛になります。
たとえば、1RM(最大挙上重量)の70%以上の重量を使っているにもかかわらず、腹圧や姿勢を意識していない人は、知らぬ間に腰へ大きな負担をかけています。
また、毎日スクワットを行い筋肉の回復が追いつかないと、微細な損傷が積み重なり、やがて腰痛として表れます。
特に腰痛を抱える人や初心者の場合は、「軽めの重量で、正しいスクワットフォームをゆっくり行う」ことが最重要です。
週2〜3回の頻度で休養を挟みつつ、フォームを習得してから負荷を徐々に上げていくのが、安全で効果的な進め方といえます。
腰痛知らずのスクワットフォーム完全ガイド
「正しいスクワットフォームは腰痛改善に効果的」
と言われても、初心者にとっては「どうやればいいのか」が最大の悩みです。
実際、スクワットフォームを少し間違えるだけで腰に強い負担がかかり、腰痛を引き起こすリスクがあります。
ここでは、腰痛持ちでも安心して取り組めるスクワットの正しいやり方と、体の特徴に合わせたバリエーションを初心者向けにわかりやすく解説します。
ノーマルスクワット5ステップ
太もも(大腿四頭筋・ハムストリング)とお尻(大臀筋)の筋力をバランスよく鍛え、下半身全体の安定性と腰痛の軽減につながります。
フォーム手順:
- 足を肩幅に開いて立つ。つま先は軽く外側。
- 両手を胸の前で組むか前に伸ばす(バランスを取りやすくするため)。
- 背すじをまっすぐに保ち、ゆっくりと股関節から折りたたむようにしゃがむ。
- 太ももが床と平行になる位置まで下がる(慣れないうちは浅めでもOK)。
- かかとで床を押しながら、息を吐いて元の姿勢に戻る。
NG例:
- 背中が丸まる
- 膝がつま先より大きく前に出る
- 腰痛がでる
- かかとが浮く
→これらは腰への負担を高める典型的な失敗例です。
ワイドスクワット(股関節が硬い方向け)
内もも(内転筋)やお尻(臀筋)をより深く刺激でき、股関節の可動域を広げることで腰痛を軽減効果が期待できる。
骨盤が後傾しやすい人におすすめ。
フォーム手順:
- 足幅を肩幅の1.5倍程度に広げ、つま先は45度外側へ。
- 手は胸の前でクロス、または前方に伸ばす。
- 膝がつま先の方向に沿って動くように、ゆっくりしゃがむ。
- 背すじを伸ばしたまま、お尻を後ろへ引くイメージで下がる。
- もも内側に張りを感じたところで止め、ゆっくり戻る。
NG例:
- ひざが内側に入る(ニーイン)
- 腰痛がでる
- 骨盤が後傾して腰が丸まる
→腰へのストレスやケガのリスクを高めます。
ゴブレットスクワット(初心者&女性向け)
重心が前にくることで自然に背すじが伸び、フォームが安定しやすい。
初心者や腰痛の人に有効。
体幹トレーニングにもなる。
フォーム手順:
- ダンベルまたはケトルベルを胸の前で両手で持つ(ない場合は水の入ったペットボトルでも可)。
- 足幅は肩幅でつま先はやや外向き。
- 肘を軽く内側にしながら、お尻を下げるようにしゃがむ。
- 背中を真っ直ぐに保ち、太ももが床と平行になる位置で停止。
- 息を吐きながら、かかとで床を押し立ち上がる。
NG例:
- 前かがみになる
- 腰痛がでる
- ダンベルの重さに引っ張られて猫背になる
→腰が丸まりやすく、腹圧も抜けやすくなります。
バーベルスクワットで腰痛から体を守る3ポイント
高重量で下半身強化に最適。
ただし腰痛持ちはスクワットフォームの精度が命。
ポイントチェック①:バー位置を肩でなく僧帽筋に置く
→高すぎると上体が前傾し、腰に過負荷がかかりやすくなります。
ポイントチェック②:しゃがむ前に腹圧をしっかりかける
→お腹を360度に膨らませるように息を吸い、腹筋で固めた状態をキープ。
ポイントチェック③:鏡や動画でフォームをチェックする習慣をつける
→体感だけではミスに気づけません。客観視が安全性を高めます。
注意:
腰痛持ちはハイバーではなく「ローバーポジション(肩甲骨下)」を基本とし、慣れるまでは軽めの重量で丁寧にスクワットのフォーム練習を反復するのが鉄則です。
スクワットで腰痛効果を最大限引き出す為のストレッチ&体幹トレ
スクワットで腰痛を防ぐためには、スクワットのフォームだけでなく、土台となる柔軟性や体幹の安定性も非常に重要です。
特に、腰痛がでやすい人の多くは、関節の可動域が狭かったり、腹圧を適切に使えていなかったりします。
そこで本章では、スクワット前に取り入れる「体幹トレーニング」とスクワット後に取り入れる「ストレッチ」をセットで紹介します。
これらを習慣化すれば、腰痛を軽減し、スクワットの効果もぐんと高まります。
ハムストリング&腸腰筋ストレッチ
股関節の可動域を広げ、骨盤の前後の傾きを正常に保つことで、スクワット中の腰の反りすぎや丸まりを防ぐことで腰痛を防ぎます。
①ハムストリング(太もも裏)ストレッチ:
- 椅子に浅く座り、片足を前に伸ばす(つま先を上に向ける)
- 背すじを伸ばしたまま、体を前に倒していく
- 太もも裏に軽い張りを感じたら30秒キープ
→左右1〜2セットずつ行うのが目安です
②腸腰筋(股関節の前)ストレッチ:
- 片膝立ち姿勢になり、後ろ足の股関節を伸ばすように前方へ重心(骨盤を立てたまま)を移動
- 上体は真っ直ぐを保ち、後ろ足の付け根にストレッチ感が出るまで倒す
- この姿勢で20〜30秒キープし、左右交互に2セットずつ実施
→特にデスクワークが多い人は重点的に行いましょう
注意点:
・反動をつけない・呼吸を止めない・痛みを感じるまで伸ばさないこと。
・柔軟性が上がれば、しゃがむ深さや安定感が格段に変わってきます。
・腰痛がでればやめる。
ヒップヒンジ習得ドリル
股関節から折りたたむ動き(ヒップヒンジ)を身につけることで、スクワット時の「腰から曲げる」代償動作を防ぎます。
やり方:壁ヒップヒンジドリル
- 壁に背を向けて立ち、つま先を15〜20cm前に出す
- 両手を太もも前面に当て、背すじを伸ばしたままお尻を壁に引いていく
- 腰ではなく股関節から曲がる意識で動作し、お尻が壁に軽く当たるまで引く
- ゆっくり元に戻す(10〜15回×2セット)
コツ:
・背中を反らさず、自然な背骨のS字カーブをキープする
・目線は斜め前方に向けると自然な姿勢を維持しやすい
初心者によくあるミス:
・腰から曲げてしまう(=猫背)
・ひざを過剰に曲げる
→これらは腰痛になる危険性を高める原因です。
正しいヒンジを覚えれば、スクワットが「腰でなく股関節主導」になり、安全性が高く、腰痛予防効果が期待できます。
プランク&デッドバグで腹圧を習得
体幹の安定性を高めることで、スクワット中に腰痛になることを防ぐ。
フォームを安定させ正しいスクワットを目指します。
①プランク(基本姿勢の習得)
- うつ伏せになり、肘とつま先を支点に体を持ち上げる
- お腹とお尻にグッと力を入れて、一直線の姿勢をキープ
- 呼吸を止めずに20〜30秒キープ(慣れたら60秒)
→2〜3セットが目安。腹圧を感じながら行うのがポイント
②デッドバグ(腹圧維持の動的トレーニング)
- 仰向けで寝て、両手両足を上に上げる(テーブルトップポジション)
- 息を吐いて腹筋を締めながら、右手と左足をゆっくり伸ばす
- 床すれすれまで伸ばしたら、元に戻し反対側へ(交互10回×2〜3セット)
→背中が浮かないよう注意(=腹圧が抜けるサイン)
注意点:
・反動を使わず、すべての動作を「ゆっくり」行う
・プランクでは腰が反りすぎないように、デッドバグでは腰が浮かないように意識する
・腰痛がでればやめるorフォームを見直す。
スクワットで腰痛が出たときのセルフケアと受診目安
スクワットをしていて「腰が痛い」「違和感がある」と感じたとき、すぐに休むべきか、セルフケアで様子を見るべきか判断に迷う人は多いでしょう。
対処が遅れると、軽い炎症が悪化して慢性腰痛につながることもあります。
ここでは、痛みの程度に応じた正しい対処法と、医療機関に相談すべきタイミング、トレーニング再開の目安について解説します。
48時間ルール|アイシングvs温熱
腰に違和感や軽い痛みを感じたとき、最初の48時間が判断と対応のカギです。
急性腰痛の炎症には冷却が基本、慢性腰痛の張りやこわばりには温熱が有効です。
【アイシング:発症〜48時間以内】
・違和感を感じた直後〜2日間は、炎症を抑えることが最優先です。
・氷のうや保冷剤をタオルに包み、1回15〜20分を目安に1日2〜3回冷やしましょう。
・筋肉が張っている、熱感がある、じんじん痛む場合に有効です。
【温熱:48時間経過後〜】
・痛みが和らいできて、筋肉のこわばりやだるさが残っている状態には温めが効果的。
・入浴や蒸しタオル、温湿布などで血流を促進し、回復をサポートします。
・痛みがぶり返すようなら、再び冷却に切り替える判断も必要です。
NG例:
- 痛みの直後にいきなり温める→炎症が悪化する可能性あり
- 長時間の冷却や温熱→感覚障害や逆効果になることも
腰痛時の病院へ行くべきサイン5つ
軽い筋肉痛と違い、「これらの症状がある場合」は医療機関での検査が必要です。
無理をしてスクワットや運動を続けると腰痛だけでなく、神経障害や椎間板ヘルニアを引き起こすリスクもあるため、早めの受診が肝心です。
受診すべき5つのサイン:
- 脚やお尻にしびれ・麻痺がある
- 動かなくてもズキズキと痛みが続く
- 発熱や全身のだるさを伴う
- 排尿・排便に異常がある(力が入らない、感覚がない)
- 歩行や立ち座りが極端に困難になった
これらの症状は、
・神経圧迫(椎間板ヘルニア・狭窄症)
・内臓からの関連痛(腎臓・婦人科疾患)
腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)(日本整形外科学会・日本腰痛学会)でも、下肢のしびれ・麻痺や排尿排便障害がある場合は速やかな受診が強く推奨されています。
その場合、接骨院や整体ではなく整形外科などの医療機関での受診をおすすめします。
筋トレを再開する目安(痛み・可動域・筋力の指標)
腰痛が引いてきたらすぐに筋トレやスクワットを再開したくなりますが、「再発防止」のためには明確な基準をクリアしてから行動することが重要です。
再開の目安となる3つのチェックポイント:
- 痛みの有無
→日常動作(歩く・しゃがむ・腰をひねる)で痛みがない - 可動域の回復
→前屈・後屈・ひねりなど、左右差がなくスムーズに動かせる - 筋力と安定感の回復
→プランク30秒保持・ノーウエイトスクワット10回でフォームが崩れない
腰痛を悪化させるスクワットの3大ミス
スクワットは腰痛改善にも有効な運動ですが、やり方を間違えると、逆に痛みを悪化させてしまうことがあります。
実際、腰の負担が増える原因の多くは「無意識のフォームエラー」や「不適切な負荷設定」です。
この章では、腰痛を引き起こしやすい3つの代表的なスクワットのミスを紹介し、それぞれの背景と対処法をわかりやすく解説します。
反り腰・猫背でしゃがむスクワット
スクワット中に背中を意識しすぎて腰を大きく反らせたり、逆に股関節の硬さで背中が丸くなってしまったりするケースは非常に多く見られます。
どちらも腰椎に不自然な圧力をかけ、腰痛を引き起こすリスクがあります。
とくに反り腰姿勢でしゃがむと、背骨の関節が圧縮され、炎症や椎間板の損傷につながる可能性もあります。
反対に、猫背でしゃがむと体幹が抜けて腰の筋肉が必要以上に緊張し、筋膜性の腰痛を誘発しやすくなります。
改善するには、「背すじを伸ばす」、「股関節から折りたたむ」「股関節で物を挟む」ことをスクワット時に意識することが重要です。
背骨の自然なS字カーブを保ったまま、お尻を後ろに引くようにしゃがむことで、腰への負担を大きく減らせます。
速度任せの勢いスクワット
スクワットのフォームを意識せず、速いテンポで回数をこなすスクワットは、腰痛の原因になります。
動作が速いと重力や反動に体を任せてしまいやすく、本来働くべき筋肉が使われず、代わりに関節や靭帯が負荷を受ける事になります。
特に初心者は、「とりあえずスクワット10回。早く終わらせよう!」といった意識になりがちです。
その結果、しゃがむときにかかとが浮いたり、膝が前に出すぎたり、腰を反らせたまま立ち上がることになり、スクワットフォームが乱れ、腰痛を引き起こしやすくなります。
スクワットでは「1回1回をゆっくり丁寧に」が基本です。
目安として、しゃがむのに2秒、戻すのに3秒かけて、重心の移動や筋肉の収縮を感じながら行うと、スクワットフォームも安定し腰痛のリスクも大幅に軽減されます。
疲労残存時の高重量スクワットチャレンジ
「前回より重いバーベルを使いたい」
「いつものメニューを崩したくない」
といった気持ちから、疲労が残った状態でもスクワットを強行してしまう人は少なくありません。
しかし、その判断がスクワット腰痛の引き金になることがあります。
筋肉に疲れが残っていると、フォームが不安定になり、反り腰、腹圧の低下が起こりやすくなります。
特に高重量を扱うスクワットでは、少しのスクワットフォーム乱れでも腰痛の危険性が一気に高まります。
体調が万全でない日は、思い切って負荷を下げる、あるいは休む判断が腰痛を悪化させないためには大切です。
スクワット前にノーウエイトで数回しゃがみ、「腰や違和感がないか」「重さに体が反応できているか」を確認するだけでも、腰痛リスクを減らすことができます。
スクワットと腰痛に関するよくある質問|Q&A
「腰痛でもスクワットを続けていいの?」「スクワットにベルトは必要?」「筋トレ再開のタイミングは?」など、腰痛を抱える人がスクワットをする際には多くの疑問や不安がつきものです。
ここでは、よくある質問を専門家の視点からわかりやすく回答していきます。
腰痛持ちです。スクワット中に腰が「ピキッ」としたらどうすればいい?
回答:
すぐに中止して、まずは冷却しましょう。
「ピキッ」とした痛みは筋肉や靭帯の軽い損傷、または関節への過負荷によるサインです。
そのまま続けると悪化する可能性があるため、スクワットは即中止し、患部をアイシング(15〜20分×数回)します。
腰痛が引かない、またはしびれを伴う場合は、整形外科などの受診を検討しましょう。
腰痛がある日はスクワットを休むべき?
回答:
軽い違和感なら「自重スクワット」で様子を見てください。
強い腰痛がある場合は休むべきですが、「腰が少し重だるい」程度であれば、スクワットフォーム確認を兼ねて自重スクワットを行うのもひとつの選択肢です。
ただし、動作中に腰痛が増す場合は即中止の方が良いです。
無理せず、筋肉痛や疲労が完全に回復してから再開することが大切です。
腰痛持ちはスクワットベルトを使った方がいい?
回答:
使用をおすすめします。
腰痛予防や腰部安定のためにトレーニングベルトを使うのはおすすめです。
特にバーベルスクワットなど高負荷時には、腹圧を補強し腰痛から体をを守る効果があります。
ただし、常時依存すると腹筋の弱化につながるため、軽重量や自重時は非使用が基本と考えてください。
ヘルニアで腰痛があります。スクワットはしていい?
回答:
腰痛と神経症状が安定していれば、正しいフォームで可能です。
腰椎椎間板ヘルニアを持っていても、炎症期を過ぎて痛みが落ち着いていれば、スクワットは再開可能です。
ただし、医師の判断を仰ぎながら「腹圧コントロール」「フォームの正確さ」「無理のない深さ」を徹底することが前提です。
個別指導をしてくれるパーソナルジムをおすすめします。
正しいスクワットフォームかどうか自分で確認するには?
回答:
スクワット時、スマホ動画で側面から撮影してチェックしましょう。
自分のフォームは、体感だけでは把握しきれません。
最も簡単で効果的なのが「動画撮影」です。
横から撮影して、背中のS字カーブ、股関節の折りたたみ、膝とつま先の方向などを確認すると改善点が見つかりやすくなります。
スクワットに慣れるまでは毎回撮影をおすすめします。
スクワットは何回・何セットが腰痛予防には適切?
回答:
フォームを崩さずできる範囲で「10回×2セット」から。
回数やセット数よりも「フォームの正確さ」を優先するのが腰痛予防の基本です。
最初は自重で10回×2セット程度から始め、問題がなければ徐々に増やしていきましょう。
スクワット時に腰痛が出ない、フォームが乱れない、翌日も腰に違和感がでない、の3条件を守れば、継続的に腰痛予防の効果が出やすくなります。
まとめ|スクワットで腰痛ゼロを目指そう!
スクワットは、やり方次第で腰痛の予防にも改善にもつながる優れたトレーニングです。
大切なのは、正しいフォーム・適切な負荷・十分な休養。この3つを意識することで、腰への負担を抑えながら効果的に下半身を鍛えることができます。
フォームを見直し、無理のないペースで、安全に続けていきましょう。
\今すぐ腰痛改善のためにスクワットを始めてみませんか?/